江戸時代に黄金時代を迎えた浮世絵でしたが、明治維新後の新しい日本
 社会となって一時衰退しました。しかし、大正期に入り、海外での浮世絵の評価
 の高まりもあり、木版画再興の気運が沸き起こってきました。従来の江戸木版画
 の制作工程をそのまま応用し、新時代の感覚に添うような新しい版画を創ろうと
 する運動が版元を中心に樋口五葉、伊東深水等によって起こってきたのです。
 浮世絵版画は江戸時代における美の表現ですが、和紙と木を用いた柔らかな色
 彩美としての木版画の美は、時代を越えて、永久に存在する美でありうるという
 ことです。
 
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